閉じる


<<最初から読む

10 / 22ページ

ゾンビの小指

ゾンビ達はお互いに好感を抱いていた。でもどう愛を表現すればいいのか、よく分からなかった。ある日。女ゾンビは思いついた。彼女は自分の左の小指をボキリとへし折ると、男ゾンビに手渡したのだ。男ゾンビは何ごとかと考えこんだ。空を見て、渡された指を口に放り込んだ。もぐもぐ。

   

 

   


愚者のカード(しっぽつき)

恋は盲目。日頃、われ関せずとクールな彼女も。見事な愚か者になる。愚者のカードは熱狂。そんな季節なのだ……とはいえ。ほんと困ったものだ。春のネコ
 

唱えよ

お話を書いていて急に目眩がした。自分がよそよそしく感じられ、まるで赤の他人。こっちがお話の登場人物みたいだ。デジャヴはデジャヴに重なり、踏みしめるべき大地は霞んで見えない。他人の私が呪文を思い出そうとしてる。唱えよ!……とっぴんぱらりのぷ……
 

彼女の船旅

ソファーで横になっていた彼女の隣に座ったら目を覚ました。そして……「ここは家だっけ?」……と聞くのだった。寝ぼけてるらしい。どこだと思った?と聞いたら……「船」……と彼女は答えた。大きな船?と聞いたら……「うん」……と頷いた。その船にはぼくもいたかな?と尋ねたら。目をそらした。

 

お引越し

可憐な少女の霊が出るという屋敷が取り壊されそうになった。救ったのは外国のお金持ち。彼は屋敷ごと船に積み込むと、新大陸に移築した。少女も住み慣れた家についていったらしい。……「ったく、可愛いと得だよね」……とは姉の感想だ。
 


読者登録

kanarihikokumaさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について