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はじめに

 はじめまして。まずは自己紹介から。wakkyhrと申します。主にネット上で活動しております。好きなものは個性的な本屋と刺激的な本。美味しいものに素敵なもの。それと、面白い人。普段は会社員をしております。本屋が好きなのですが、今は全く異業種で総務やってます。好きだと気付いたのが就職のあとなもので。世の中うまくいかないものです。
 そんな訳で、アフター5に余りまくった迸るこの情熱で本屋に捧げるオマージュが本書でございます。タイトルはそのまま「
BOOKSHOP LOVER」(本屋好き)。「1」とありますように撮影許可を貰った本屋さんに関しては、どんどん作っていきますのでよろしくなのでございます。

 さてさて、本屋好きというとどんな人を思い浮かべますか?
 僕が思う本屋好きとは、①まず、第一に本好きであること。②知らないことがいっぱい=楽しみがいっぱい。③猫は好きだけど好奇心には負ける…など色々ありますが、やっぱりこれは外せないのが「人間好きであること」。
 本は当たり前ですが一冊一冊が違います。それぞれに著者、編集者、デザイナー、印刷業者と多くの人たちの汗と情熱とその他もろもろが詰まっております。それらの情念が凝り固まったものが本なのです。そんな本でありますが、何かに似ていると常々思っていたのです。それがつい最近、思いつきました。そう「人間」に似ているのです。
 これは僕の人間観ですが、人って周囲の環境によって作られる部分が多いと思うのです。親はもちろん学校の先生、同級生、上司、同僚。読んできた本や映画、聴いた音楽、住んだ場所。それぞれの環境の影響を大きく受けて人間は成り立っていると思うのです。もちろん環境によって成り立っているということは、違う環境に行ったら違う顔を見せるなんてことは往々にして起きるわけです。
 本も同じなのではないかと思うのです。著者はもちろん関わる人や会社によって全く違うものができてしまう。同じ本でも違う出版社が作れば違うものになってしまう。はたまた置かれた店や本棚の位置によっても。そんなたくさんの本≒人間、しかも、それがたくさんある本屋さんを好きな人が人間好きでないわけがない!とまあ、暴論と言いますか当たり前なことと言いますか。長々と書いてしまいました。
 「BOOKSHOP LOVER 1 BIBLOPHILIC & book union 新宿」スタートです。

目次

1.はじめに
2.音楽は支えである。
3.読書における音楽の効用について
4.ふんぞり返る猫と明治の文豪
5.本屋探訪記 vol.3(2011/12/10(土)訪問時)



音楽は支えである。

 朝起きる。朝食を食べて、スーツを着込んだら外に出よう。イヤホンから聴こえてくるのはビートルズ。ジョン・レノンの優しい声が眠たい体を起こしてくれる。仕事が終わる。おもむろにiPhoneを取り出しイヤホンを付けて小林大吾の詩を聴く。別世界。ウィットに富んだ下らないイメージが頭の中を駆け巡る。
 音楽は支えだ。学生時代に言って、からかわれた言葉だけれど、今なら何の恥ずかしげもなくそう思える。意味の分からない満員電車や当然のように矛盾した上司の指示。8時間もの時間を不毛な作業に追われて過ごす。別に苦しい訳じゃないけれどもこれといって楽しい訳でもない。予定通りに事もなく進めるのが何よりの命題だ。
 そんな風に日々を過ごしていると居てもたってもいられなくなるときがあるだろう? 別に特別なことじゃない。誰だってそういう経験はある。こんなはずじゃなかった。もっと楽しい日々を送るはずだったのにこの現状は一体何だ? 原因が自分にあるってことを自覚しながらもそう言わずにはいられない感情の妙。
 何も考えずにやり過ごす。そうすればとりあえずは安心だ。別に何も解決していないけど時間だけは経ってくれる。時間が経てば気分は持ち直す。そうしたらまた満員電車に乗って不毛な作業をやりに行く。あしたもあさってもしあさっても。
 itunesを開く。お気に入りの曲をかける。気分はそれまでのままではいられない。楽しくなる。叫びたくなる。泣きたくなる。腐ったヘドロみたいな見えない何かが揺さぶられて消えていく。ヘドロを生みだす根本は何も変わらないけれど、少なくとも今そこにあるそいつは消える。それでいい。世間は事もなし。全ては平和裏に進んでいく。



読書における音楽の効用について

 本を読むときは音楽をかける。集中できないなんて言う向きもあるけれどそうは思わない。むしろ、気持ちをリラックスさせてくれるから本の内容を頭の中に入れるのにはちょうどいいと思う。
 とは言ってもなんでもかければいいってわけじゃない。ダンスミュージックや激しいロックが鳴り響く状況で集中して本を読むなんてできるわけがない。もっと静かな曲が良い。できればジャズならうれしい。日本語歌詞が入った曲は聴けない。本の言葉と衝突してしまうからだ。

吾輩は猫である。

あい・うぉんちゅう~♪

名前はまだない。

あい・にいじゅう~♪

…落ち着いて読めるわけがない!

 ところで、読書と合う音楽とはどんなものだろう。まず、最低限、読書の邪魔にならないものである。そして、できれば読書の効果を高めるもの。
 では、読書の邪魔にならない条件とは何だろう。思いつく限り挙げてみると、音量が大きすぎないこと。できれば言葉がないこと。あったとしても日本語でないこと。日本語だとしてもメッセージ性が少ないこと。こんなところだろうか。
 本を読むのにもいろいろな目的があるだろうが、基本的には情報収集だろう。実用書はもちろんそうだし小説もそうだ。小説に描かれているのは新しい世界観という情報なのだ。思想書を読む場合はどうだろう。これは世界の新しい解釈だから、言葉の意味から考えなければならなくなる。純粋理性って何だ? リゾ―ムって食べれるのか? 思考のフル回転が必要なのである。
 さてさて、そんな情報収集の最中、音楽は必要だろうか。「必要ない」。そんなこと言ってはいけない。何と言ったってこの文章は本と音楽についての話なのである。本を読むのに音楽が必要ないとなればこの文章の意味が全くこれっぽっちもなくなってしまうではないか。ああ嘆かわしい。君は下らない文章を読む余裕さえなくなってしまったのか。余裕がなければ愛は生まれない。愛がなければ平和もない。君のその満員電車の様に余裕のない心が世界を苦しめているとなぜ気付かないのか!
 話がそれた。
 そう、読書に音楽は必要なのである。なぜか。音楽は読書の効果を高めるのである。本は落ち着かなければ読めない。心を落ち着けてまとまった情報を受け入れる準備が必要なのである。実用書はとにかく小説や思想書はそうだろう。今まで考えたこともない世界観を受け入れなければならないのだ。それにどれだけの集中力が必要だろうか。えっ? すぐに没頭するから音楽なんてあってもなくても一緒だって? いやいやいやいや、何を仰るウサギさん。いくらウサギさんでもその発言はいただけませんよ。没頭のために必要なものを考えて下さい。それは読書前のリラックスでしょう。考えてもごらんなさい。心を落ち着かせずにいかにして没頭などできましょうか!
 以上のように読書に音楽はこれはもう絶対なのである。賢明なる読者諸君はビル・エヴァンスを聴きながら今夜も読書に興じるべきなのだ。ビル・エヴァンスでなくても構わない。この際、好きなら嵐だってジャスティンビーバーだって構わない。音楽を聴きながら読書をすれば、あら不思議。見たことのない世界にすぐ飛び立つことができるのだ。そうすれば君のそのパンパンに詰め込んだ満員電車の様に余裕のない心にも希望の光がほのかに見えること請け合いなのである。




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