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 「実はね。先生、保母さんは引退して洋介君のお母さんになりたいの。――もちろん、

すっごい可愛くてすっごい美味しいお弁当つくったげるし、誰よりも先にお迎えにいくわ。運動会にはビデオカメラ持って誰にも負けない位の大声で黄色い声援おくるからね。父兄参観の日はみんなのお母さんみたいにバッチリメイクして豹柄のバック持っていくから頑張りましょ。公園デビューは、今までのコネ使ってお母さんどうしの井戸端会議で取り入っちゃうから心配なしよ。休みの日は、レミちゃんやメグちゃん誘ってサンドイッチ持ってハイキングも善いわよね。ライバルのヒロシ君に内緒でいっかなぁ~~?」

 少しづつ君の顔がほころびるのが判ったよ。

 「――こんなお母さんどうかしら?」

 「うん! うん。うん! いいよ‼」洋介君は激しくコクコクうなずくと、嬉しそうに手足をバタつかせる。

 君は、再び寝入る前に不安顔で「もう死んだりしないお母さんでいてね」と言う。

 「大丈夫」強い声で言って長男のオデコに優しくキスをした。――ところで、君々、目をとじて口をとがらせないの……。

 「メリークリスマス洋介」

 おませさんの唇を人差し指で軽く押してやった。

この本の内容は以上です。


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