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坂本龍馬に習う現代ビジネスの在り方

 

「まさに世は維新の最中」

 

 時代は廻ると云う。政治社会において維新の言葉が使われるに至ったかの如く、いま私たちが置かれている時代背景は幕末から明治維新にかけての動きに似ている。バブルの崩壊が黒船であろう。外国船が訪れ日本に開国と共に貿易を望んだことから、長きに渡る鎖国にあった国内は、攘夷に倒幕、それまでの幕府主体の政権を守ろうとする動きが盛んになり、それぞれの志の在り方から大きな衝突と事件は絶えなくなった。武力衝突を起こす引き金として、市民の住まいは焼き討ちに遭うこともあった。それこそ殺りくも行われた。物価の上昇を受け、一揆や窃盗などにより治安も悪くなった。

 いまはどうだろう。バブル崩壊を引き金に、生活する上で欠かせない労働が脅かされている。年功制廃止、成果主義への移行。産業や経済のグローバル化や情報化は進み、多数の企業が人員削減という名のリストラを行い、雇用が不安定となった。人員削減に伴い、1人あたりの労働力の負担は増加し、厚生労働省が5年置きに実施している「労働者健康状況調査」における直近の結果では、約6割の労働者が強いストレスを感じている。1998年に急増化した自殺者数も3万人を超えたまま、未だ増加傾向だ。労働を起因するストレスや過労からの「過労自殺」は問題視され、2006年には「自殺対策基本法」制定。翌年には「自殺総合対策網」策定。政府はこうした「産業ストレス」を打開すべく対策の指針をまとめざるを得なかった。

 時代は廻る。政治や情勢のうねりの中、私たちは祖先が歩んできた道を、繰り返し歩んでいる。これで良いのだろうか。否である。日常生活に必要な労働に対するマイナスイメージは払拭しなければならない。払拭の仕方は存在する。しかし、その資源や活用方法は知られていないのが現状だ。

 そこで本書では、労働にプラスイメージを持ち、より楽しくより前向きとなるビジネスモデルを提唱したいと考えている。「労」も「使」も分けて捉えず、互いを無条件に肯定し合い、互いに関心を持ち理解し合い、成功につなげる。そしてそれを「実行してきた祖先」から学んでゆきたい。祖先とは「坂本龍馬」だ。

 龍馬は幕末の混沌とした世情を明治維新に導いた偉人であり、実業家としても知られている。武士の家に生まれながら、その枠から飛び出し、政治の世界でも奔走した。対立という生易しいものではない。憎悪・怨念…誰もが無理であろうと、想像もしていなかった薩摩と長州の二極に同盟を結びつけた。志を共にしてきた人間を投獄斬首にした後藤象二郎とも手を結び、大政奉還も成し遂げている。憎しみや苦悩を盾に戦うことを避け、無血であることを望んだ人物だ。幕臣である見廻組が実行犯であるという説が強いが、京都の醤油商近江屋で暗殺された。だが、竜馬の信念は江戸城無血開城にもつながっているであろう。数多くの名言も残している。

 

 人間はなんのために生きちょるか知っちょるか? 事をなすためじゃ。

 ただし、事をなすにあたっては、人の真似をしちゃいかん。

 

 生活のためと仕事を割り切り、ストレスを抱え、周囲からはみ出さなければ出る杭にならず打たれずに済む。これほど「つまらない労働」「身にならないビジネス」はない。明るくユーモアもあった龍馬に見習い、彼の名言と共に現代社会で活用可能な資源と活用方法を、この先はつづって参りたい。それが、より楽しくより前向きな労働とビジネスにつながることを祈って。

 


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